■ 魂のドラマ ■




【美しい人】 
田村正和と常盤貴子を180度見直してしまったドラマ。内容的にも痺れまくった。
 DVに怯え、全面整形を頼む女性と、その整形外科医との恋。
 DVの張本人である、大沢たかおの出世作。なかなか凄まじい蛇男っぷりを見せてくれる。
 狂いまくっている展開と、中年男の過去の不安や失った情熱を一つ一つ救っていくような構成が良すぎる。
 セージの回が秀逸すぎる。女性が爪の伸ばしている理由とか、泣ける。
 今のところ人生で一押しのドラマ。

【ずっとあなたが好きだった】 (オタク怖い的な)冬彦さん現象を巻き起こした伝説的ドラマ。
 布施博、賀来千賀子、佐野史郎、野際陽子がとてもいいバランスで存在感を発揮している。
 超絶マザコンと、その母(姑)に心身ともに疲れ切った女性が、昔の恋人とヨリを戻していくドラマ。
 昔の恋人とも、本当の気持ちを伝えきっていなかった部分があり、
 告白に継ぐ告白、暴力と救済、性描写と暴言、凶器やら狂気やらが渦巻き渦巻き、
 毎回ラストに響き渡るサザンの『涙のキッス』が流れたら号泣必死である。

【古畑任三郎】 刑事コロンボそのもの。
 動機も何もかもはっきりしている殺人が行われ、裏付け捜査で他殺事件だと立件、犯人逮捕するストーリー。
 当初は動機がバレバレで、田村正和扮する古畑と、苦しい言い逃れをするゲスト芸能人との
 対決を呈していたが、コロンボよろしく、しつこい性格・するどい質問の古畑、ずっこけキャラ今泉のキャラが
 立ち過ぎていて、完全犯罪を暴く展開が増えた。
 何度もシリーズ放送され、スペシャルも何度も放送された。
 回がかさむとキャラが濃くなりすぎて辟易とするものだが、田村正和の力か、
 はたまた三谷幸喜の脚本の力か、そこそこ新鮮な感覚のまま幕をとじた秀作ドラマ。

【さよなら小津先生】 田村正和のドラマの中でも、かなり地味な部類に入る。
 僕はどんだけ田村正和が好きなんだという突っ込みもあるが、とてもいい味を出している。
 銀行のトップで働いていた男が急落して、高校教師をやらされる話。
 ダメ教師とダメ生徒が、企業的精神や、英語力、なんせバスケで成長していく姿に
 胸を打たれる。 aikoのエンディングテーマが余計染みる。

【トリック】 仲間由紀恵(手品師)と阿部寛(大学教授)のコンビが織り成す、推理ドラマ。
 超常現象を解明するべく召集された大学教授において、知識や格闘センスさえあれ、
 こと超常現象そのものとなると、まったく種を明かせず、トリックそのものは、すべて仲間由紀恵が解き明かす話。
 オカルトを思わせる現象が多く、内容もかなりグロいので、人を選ぶところもあるが、
 コミカルさは一貫しており、楽しい雰囲気と、細かい謎ときは、なかなか興味深いところ。
 シリーズや、映画を追うごとに、登場キャラがどんどん濃くなっていく傾向にあり、
 面白い作品なのだが、若干食傷してしまうところもある。

【高校教師】 野島伸司作品で、最も話題になった作品。映画版などもあったが、初代の1993年のドラマが最高峰。
 近親相姦とか、教師と生徒とか、とかく『 禁断の愛 』がテーマになっており、
 何度もリメイクされていることからも、出口のみえない愛のスパイラルがそこにある。
 主題歌を始めとして、野島作品の狂気表現は、ここから始まったように思う。
 問題性とサスペンスが共存する傑作。

【眠れる森】 大人びて、声が全然聞こえない中山美穂と、売れすぎてカッコつけすぎて、声が全然聞こえないキムタクが
 大活躍するサスペンスドラマ。 殺人鬼の記憶を紐解きながら、12/24の結婚式とオンエアがタイアップした
 企画ドラマ。 ネタばれだらけなので、何度も見れる内容ではないが、謎がわかっていない間なら、
 相当楽しんでみれる作品。 竹内まりあの主題歌も、全然内容が違うのに、マッチしている。

【結婚できない男】  阿部寛が主演するドラマは傑作ぞろいだが、その中でもとびきり秀逸な一作。
 どうしようもなく変な人、というわけではなく、綺麗好きで、どうしようもなく、一人暮らしを堪能している頑固オヤジと
 いう感じ。 キャストもうまいことハマっていて、非常にレベルの高い娯楽ドラマになった。
 パグとの駆け引き、医者との駆け引きも非常に面白く、感動こそ薄いが、面白さに特化した作品。

【伝説の教師】 ダウンタウンの松本人志が主演の教師もの。
 長淵剛が、家族ゲームというドラマで、かなり型破りな家庭教師の役をやっていたが、 
 似たタイプで、893的な雰囲気を出しつつ、中身は借金まみれのダメ人間という設定だが、
 屁理屈だけは、得意で、生徒との難題を屁理屈でくぐりぬけていく爽快な学園ドラマ。
 相棒の中居正弘との掛けあいも絶妙で、毎回それなりに笑わされ、感動させられる。 
 松本がドラマ初主演とは思えない場馴れっぷりと、既存のドラマにとらわれない作りが非常によかった。

【お金がない!】 織田裕司が、踊る大捜査線でブレイクする前の痛快ドラマ。
 貧困を極めた男が、一攫千金を狙って人柄と運だけで、大企業を昇り詰めていくストーリー。
 作品全体が非常に明るく、レベルアップしていくかのようにステータスがあがってく
 サクセスストーリーおよび、全体がキャラが非常に秀逸。

 無理しないエンドまで、楽しみ尽くせる良作。

【ロングバケーション】 個人的に、超絶に好きなドラマ。
 何がいいのか、何がよかったのか解らないが、永遠の青春がここにある。
 丁度、垢ぬけ始めて、セリフがイマイチ聞きづらくなるギリギリ前のキムタクと、
 賞味期限ギリギリでありながら、輝きまくっていた山口智子、
 垢ぬける前の松たか子、イメチェンして今もなお同じスタイルを貫いている竹之内豊。
 なぜかナオミキャンベルとフューチャリングしてる主題歌。
 場面場面で、年甲斐もなくキュンキュンしてしまう。

【お見合い婚】 キムタクと常盤貴子のビューティフルデイズという名作の裏で、
 燦然と輝き、個人的には、絶対こっちのドラマのほうがよかった!!!と断言できる名作ドラマ。
 ユースケサンタマリア・松たか子主演。 惰性でやってみたお見合いだったのだが、
 お見合いという形を重視するやり取りの内に、次第にひかれ合っていく様が、
 たまらないし、お見合いだからこその、もどかしさが非常にいい。
 不朽の名作。

【オヤジぃ】 海外のドラマのパク。 なのだが、日本の父親の良さ・温かさを
 厳しい言葉ながらに感じさせてくれる名作。 続編に『お父さん』というドラマもあるが、それもいい。
 すべては、田村正和の演技がすばらしいだけのような気もするが、
 別にグレてもいないのに人生うまくいかないV6岡田の熱さと、
 本当は、親心にあふれた田村正和演じるオヤジのやり取りにグッとくる。
 なぜか主題歌は『さよなら大好きな人』。歌詞的に全然合ってないのだが、これもまたいい。

【電車男】 2chのスレから文庫化されたドラマ。 同様の作品に『痴漢男』がある。
 痴漢男は、2chまとめが最高峰の出来で、あとはダメである。
 電車男は、電車で執拗に男に絡まれていた女性を、オタクが救出したことで、
 本当に徐々に距離が縮まっていく感動ドラマなのだが、TVドラマ版が、
 本当にバカバカしい作りで、どうしようもないのだが、キャストがよかったのか、
 どうしても応援したくなる、不思議なドラマだった。 とてもよかった。

【ラブレター】 長きに渡って続いた” 花王愛の劇場 ”の最終作品。
 小豆島で出会った耳の不自由なヒロインを、小さな頃から永遠に守ろうという
 ファンタジー臭溢れるドラマ。 中学生編のヒロインが、ガリガリなのに奇跡的に可愛い。
 大人になると、長い長い沈黙をやぶって画面に戻ってきた鈴木亜美になる。
 もっとクソ生意気な女性だった気がするのだが、憑き物が落ちたみたいに落ちついた人になっていて、
 意外だった。 名作小説”嵐が丘”のタイニ―版みたいな感じで、昭和ドラマのような波があって非常によかった。

【最後から2番目の恋】 東京での仕事に疲れた女性TVプロデューサーが、
 郊外の古家を借りて暮らしていると、隣には自称”天使”の色男と、
 頑固な地方公務員が住んでいて、仲良くしたり、ケンカしたりしているうちになんとなくという
 まったく恋愛の形をとっていないが、仲良い触れ合いで気持ちが動くという大人のドラマ。
 キャストが豪華なせいか、痴話げんかのやり取りも非常にレベルが高く、面白い。
 その痴話げんかがそのまま恋愛になってしまうという類まれなるレベルで構成されている作品。
 起きる事件の数々は、起伏の小さな大した事件ではないが、対象になる人間やその対応で
 ちゃんとドラマが成立するお手本みたいな話。

【最高の離婚】 性格の不一致を謳った妻の気まぐれで、離婚を決めてしまった夫婦と、
 その旦那のモトカノ・異常なほどのプレイボーイのカップルとの4人が織り成す、
 結婚とは何か、離婚とは何か、幸せとは何かを、考えていくドラマ。
 離婚したら、近くで出会ったモトカノが気になるという、どうしよもないシュチュエーションが、
 うまくいくはずがないというファンタジーと共にドンドン泥沼化していく、名作ドラマ。
 モトカノ・真木よう子の異常な大人の色気と、異常な気の強さを発揮する変貌も凄いが、
 離婚したのに、家をまったく出る気配がなかった奥さん・尾野真知子の、
 家をでる決心をする回が、号泣レベルの神回であり、
 『 女は自分の正直な気持ちを手紙にしたためて、人に渡したりしない。紙に書かれた言葉は、隠語しかない。 』
 という僕の持論を裏切ったと思ったら、そうでもなかったという、DVDでも買おうかというくらい
 感銘を受けたドラマ。 シュチュエーションもキャストも一部替えて、続編やってほしい。

【モテキ】 恋愛もそこそこ、人並み以上はこなしたはずの僕が、
 見るたびに、恋愛とは何か、そして『 犯罪 』との境界は何か解らなくしてしまった、
 

 漫画が原作の夜中の馬鹿ドラマ。 映画にもなり、映画もそこそこだが、
 やはり名作はTVドラマ。 昔の彼女から連絡がきたり、同僚から誘われたり、
 友達と急接近したり、昔の同級生と再会したり、モテ期というモテ期を、
 味わっていくドラマ。 童貞の役で、本当にドン臭すぎるのだが、
 昭和の時代によくあった『 お持ち帰り 』というシュチュ―エーションが多く、
 『同意』がない以上、それは犯罪なのではないかという疑問が僕自身にも生まれ、少々悩んだ。
 実際、厳密には犯罪なのだが、自然と行われる”心のケア”で評価が天と地とも変わる事象だと気づくまで相当かかった。
 ドラマ中の土井アキ役・野波麻帆が尋常ではない色気を発揮している。