ストリートファイター2ダッシュターボ

スーパーストリートファイター2X


■ 狂乱から狂乱へ ■



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 対戦格闘ゲームは、ストリートファイター2から始まった。

 スト2が世に放たれた時、対戦なんてことを意識はしてなかった。

 スト2の見た目は、キャラクターが生き生きと動く、素晴らしいものではあったが、

 なぜ、あれほどまでに人を惹きつけたのか。

 

 当時、アーケードに足を運んでいた人で、スト2を一度もプレイしたことがないという人は、

 ほぼいないのではないだろうか。

 
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 スト2は、理詰めなシステムを思わせた。

 レバー後ろでガード、上下のガードと言っても、飛び蹴りを上ガード、それ以外は下ガードで

 ガードできることが、とても解りやすく、簡単に安心感が得られた。

 本来は、システム的には、投げでガードを崩せてしまう。

 しかし、スト2初期、きっちりガードさせできていれば、大きなダメージを喰らうことはない。

 そう思わせた。 だからこそ、1フレで発生する投げが猛威をふるうのであるが、

 この手の届きそうなテクニック、手の届きそうなカッコよさ。 それがよかった。

 CPUのように自由自在に技を出したい。 そんなことを追い求めているうちに深みにハマり、

 スト2ジャンキーは、そのまま格闘ゲームのジャンキーへ。

 

 スト2ダッシュが登場するころには、対戦格闘の虜になった。

 アーケードは、スト2で狂乱していた。
 


 ■ スト2ダッシュ、その後 ■


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 スト2の登場は、センセーショナルなものだったが、スト2が歴代最も狂乱したのは、

 スト2ダッシュが登場したときだった。 続編もので、ここまで狂乱させたのは、スト2ダッシュなくらい

 だろう。 しかしそれは、スト2のもともとの底力を証明するものであり、

 ブラッシュアップされ、ボスキャラが使えるようになっただけの続編に皆が狂乱した。


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 スト2のテクニック的には、地上戦を制し、相手を飛ばせて落とす。

 もしくは、相手をガードで固めて、投げ崩す。

 そんな戦法が確立されていた。

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 その二つの戦法を徹底すると、『 待ち 』 『 投げハメ 』 と言われ、忌み嫌われた。

 その大きな二つの戦法に変わる、戦い方が望まれた。

 固め、削り殺す戦法以外では、昇り蹴りや、めくり攻撃が、それに変わる相手を崩す戦法だと

 言えたが、狙えるチャンスは、そうそう生み出せるものではなく、

 そもそも、2大戦法を崩すに至らないものであった。

 

 そんなスト2ダッシュに、辟易とし始めたころ、スト2ダッシュレインボーや、降龍といった

 スト2ダッシュのコピー版が、世の中に大量に出回った。

 スト2の全キャラが、パンチから波動拳を放ち、必殺技はぶっとんでしまう。

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 パックマンやインベーダー以来のコピー版の謳歌であったのではなかろうか。

 どうしようもないものだったのに、可能性を感じさせる、不思議な感覚があった。


 近年、再発掘されて、あんな狂乱を生むなんて、当時、思ってもいなかった。

 可能性は感じていても、クソはクソ。 そういう感想だった。


 コピー版は、なぜか足の遅いキャラの足が早く、ゲーム全体の速度も、若干早めであった。

 


 ■ ターボの登場 ■


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 カプコンが、ダッシュのコピー版対策に、新作を出す。

 そんな噂から、時を待たずして、スト2ダッシュターボは登場する。

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 ゲームスピードが、異常に速いことが最大の特徴であり、

 問題の一つであった『 待ち 』が非常にやりにくくなった。

 

 キャラクターの構成や、ゲーム全体の構成は、まったく変わっておらず、

 各キャラに新技がついた以外は、基本構造は何も変わってはいない。

 新技は、空中竜巻、スーパー百貫、バーチカルローリング、ヨガテレポート、

 ハイスピードラリアット、気功拳など。

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 バーチカルローリングが、着地までずっと当り判定が続くところと、

 百列張り手で前に歩けること以外は、コピー版を凌ぐ衝撃はなく、

 むしろコピー版を参考に作られたゲームとしか思えなかった。

 

 実際、時をまたずして、Qサウンドシステムを搭載した何の特徴もないスーパースト2が登場するのだが、

 ここで、熱狂的なスト2ファンと、単なるスト2が好きだった人たちとは、

 大きな決別を迎えるのである。

 

 なんだか変わり映えしない、高速スト2が、ターボ?

 そうじゃないだろ? 熱狂的なスト2ファンなら違うだろ。

 そうなのである。 このゲームから、スト2の探求の旅は始まってのである。
 
 空を羽ばたける技の導入から、めくり攻撃の多様化が始まったのである。

 空中で出せる空中竜巻を昇り蹴りにキャンセルするなど、

 格闘ゲームの可能性を探求するようになったのである。


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 中でも、無敵時間が増加していたと言われるバイソンが波動拳をすり抜けまくる姿には感動を覚えた。

 そして、ピヨリからピヨリを大量に生んだ魅せ技、小足アッパーがこの作品で消えてしまったのが

 残念でならない。




■ 究極のスト2? Xの登場 ■


 専用基盤という形で、コピー対策をとったはずのスーパースト2であったが、

 度重なるバージョンアップと、原点回帰に、新キャラ4人がついても、人があまりつかなかった。

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 ターボでのスピードアップで生んだ爽快感もどこかにいってしまい、

 また時を待たずして、スーパーストリートファイター2Xが登場する。

 どんだけ名前長いんだよとネタにされまくっていた作品である。

 

 これが、二作目のカプコンというだけあって、スーパースト2を見事なまでに

 ブラッシュアップし、カプコン初の超必をひっさげて、リニューアルされた。 

 細やかな新技を多数搭載し、

 2010年をとうに超えた現在まで燦然と輝く対戦ツールとして、世に完成させた究極のスト2の登場であった。

 

 スト2に今後、どんな続編がでようとも、このスーパースト2Xと、ハイパースト2で、

 スト2は打ち止めである。 今後のスト2作品は別物だと考えていきたい。

 


 ■ 一生遊べる ■


初代スト2をやり込んでいたころ、『 このゲームは、一生遊べる 』と思っていた。

登場から20年を超えた今でも、ターボ、X、ハイパーなら、楽しく遊べる。

 

投げハメ? 待ち? やればいいじゃないか。

 

命あるかぎり、このゲームを楽しみたいのである。

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